王子と姫が出会いました。

教室を出て、昇降口まで注目を浴びる。



ビビられんのも慣れてるし、女から熱い視線を送られることもしばしば。



「着いてくんなよ、瑞紀」

「まさか食う気じゃねぇよな?」

「えっ?ダメ?」

「即嫌われる。とにかく1ヵ月は手を出しちゃダメだと俺は思う」



我慢できっかな…。



呆れた顔の瑞紀に別れを告げると姫が靴を履き終えて待ってた。



だ、抱っこしたい…。



「王子君の家ってどこですか?」

「すぐそこのマンション」

「近くて羨ましいですね」

「姫はどこ?」

「4つ先の駅で降りたら自転車で1時間です」

「はっ!?そんな遠くから通う気かよ!!」



こんなチビなのに…。



か、可哀相じゃねぇか。



なんて会話をしてたらマンションに着いてしまった。



部屋汚くねぇよな…。



ヤバいものとか置いてねぇよ…な…?



あの女帰ったよな!?



「ちょ、ちょっと待ってくれますかね…」

「あっ、はい」



お願いだからいませんように!!