陽菜と話しているとすばるより何倍も疲れると、今日分かった気がする。
正直、もう嫌になってきている。
溜め息をミニカーに向かって吐き出し、怒りを静めながら、陽菜との会話を続行させた。
『だから、なんで俺の目の前にこいつがいるわけ?』
『あ!そういうことね。昨日自転車直してくれたお礼だよ!ほら!手伝い料は高いって言ったじゃん!』
…覚えているよ。
お前が悪戦苦闘していたことを。
確かに手伝い料は高いと冗談を言ったが、お前には冗談だということが伝わっていなかったみたいだな。
だからって…、
お前の一番高いものってミニカーなわけ?
しかもミニカーがお礼?
ふざけてる?
俺は陽菜の天然さについに笑ってしまった。
『…お前バカじゃねぇの?』
『バカじゃないよ?いらない?ミニカー』
『てかさ、なんでミニカーなわけ?どこ情報だよ、それ』


