どこまでも、蒼く



気分も良くないしね。


すばるからのモーニングコールを受け取った俺は、ほんのりと酒の匂いが残った廊下を通り、家から出て行った。

下に行くと、いつもの光景が広がる。
手鏡を手に持ち、髪の毛を整えているすばる。
そんなすばるの背中に鞄をぶつける。


『…おはよ』


『おっはよ!珍しいな。嵐が《おはよ》なんて言うの』


ぴょんっと立ち上がったすばるがウサギに見えた。
当然錯覚なんだけれど。

なんか今日は気分がいいんだ。


歩き出す俺たち。
今日はすばるもいつもより元気だ。
なにかあったのだろうか?


『すばる、何かあった?お前のテンション、気味が悪い』


『それがさ!昨日の合コンのことなんだけど!』

目を輝かして言葉を並べるすばる。
…ということは、いい人がいたっていうこと?


『いい奴いた?』



にまりと笑うすばるを見れば次に出る言葉ぐらい分かる。


いい奴がいたんだろ?