どこまでも、蒼く



いつも一緒に帰っているのに今日は無理?
なにか理由があるはずだ。


『今からクラスの奴と合コンなんだよな!誘われたからちょっと行ってくる!』


すばるはこういって、一目散に教室から出て行った。
俺にはまだ馨がいる、と思い馨を見上げようとすると、席にはすでに馨の姿がなかった。


『は!?さっきまでいたじゃん…』


俺は走って廊下を覗いてみる。
するとそこには廊下を歩く馨の後ろ姿があった。

『馨!お前どこ行くんだよ!!』


馨に俺の声が届いたのか、馨はゆっくりと振り返り、笑顔ひとつない無表情な顔で口を開いた。


『後輩からの呼び出し。だから先帰ってて』



…なんだよ、告白か?
馨は3日に1回は告白されるから無理もないだろう。
ちゃんと行くのがすごい。

仕方なく俺は一人で帰ることにし、下駄箱へと向かう。