どこまでも、蒼く



お前の話は聞いていても飽きないと思ったのはこの時だった。


…時計の針は順調に進んでいき、太陽はゆっくりと沈んでいこうとしている時間。
いつの間にか夕方だった。
陽菜はなぜかこの1日で俺たちに溶け込んでしまった。
千夏とも仲良く話していて、千夏は陽菜を《天然キャラ》と呼ぶ。
陽菜自身、自覚はないようだが、千夏の発言に、すばると馨と俺は同士に首を縦に振った。


陽菜が俺たちの輪の中に入っても、嫌がる人などいない。
すばるは最初嫌そうだったが陽菜のキャラに慣れた途端、一緒に笑い合っていた。

俺は、別にどうでもいい。
いてもいなくても、俺の存在価値は変わらないから。


『すばる、馨、帰ろ』


すばると馨の背中に向けて言葉を投げる。


するとすばるは申し訳なさそうな顔を浮かべて、こちらを向いた。


『悪い!今日は一緒に帰れねぇ』


『は?なんで?』