どこまでも、蒼く



『リビングに来いって!』


どれだけ世話やきなんだよ。
それで俺はわがままなガキ?
行きたくないんだから無理矢理行かせるなよ。

いちいち苛ついているほど俺には余裕がない。


慶汰は俺に近づき、無理矢理俺の腕を引っ張り、リビングの方へと足を進めた。


『は?なんでわざわざ行かなくちゃいけねぇんだよ?』


『ありさが飯作ってくれたんだよ。お前の分もあるから食え』


徐々に光が近づいてくる。
もうなにをしても無駄だと思った俺は仕方なくリビングに入っていった。
充満する美味しそうな料理の香り。
だけど俺の食欲はそそらない。


リビングにはソファーにもたれかかり、テレビを見ているありさの後ろ姿があった。
ありさは部屋に入ってきた俺に気がつき、後ろを振り返る。


みんなが目標とするメイクにさらさらのストレートロングの髪の毛。
みんなの憧れの女性。

これが慶汰の彼女のありさだ。