どこまでも、蒼く



俺は冷たいフローリングより、ほどよい冷たさの畳の方が好きだ。
その心地よさが自分自身を癒やしてくれる。

だけど家賃を払っているのは慶汰。
なにも言う資格なんてないに等しい。


俺は綺麗な高層マンションの中に入り、エレベーターの上ボタンを強く連打した。
誰かに追われているわけでもないのに強く押してしまう。
怒りが込み上げている態度だ。

数秒後、エレベーターの扉が俺の目の前で開く。俺はそれに乗り込み、部屋がある7階の《7》という数字を先程と同様、強く連打した。


エレベーターは俺を運んでいく。
目的地まで。


このまま空の上にある天国まで連れて行って欲しいと何度願っただろう?

でも現実にはそんな有り難いマシーンなんてない。
だからいつも現実に引き戻されるんだ。


エレベーターを降りて、部屋を目指す。


『…あいつ帰ってきてんの?』