どこまでも、蒼く



雑草の命を大切にするお前みたいに心が広かったら、俺は慶汰の存在を受け入れることは出来るのかな。



…夕日が街から姿を消していく。
たちまち夜が訪れて、街全体を暗い闇で囲むんだ。
俺たち三人はしばらくファーストフード店に入り浸り、飽きた頃に店を出て、帰宅する方向へと進んでいた。


『あー疲れた!!』


体を伸ばして夜空に向かい叫ぶすばる。
すばるはズボンを腰に履いているせいかピンク色の下着が見えている。
ピンクが好きなんだな、とそれを見て思った。

馨は相変わらず口数が少なく、すばるの隣で歩いている。


『俺、帰るわ。なんか疲れたし』


俺は頭を掻きながら、その場で歩むのをやめて、すばるたちの背中に向けて言った。


『まじ?まだ早くね?』

『いろいろと疲れたからさ。じゃあな』


すばるたちに別れを告げて、自分の家へと体を動かす。

この世界より、
この街より、
息苦しい家に向かっていく。