どこまでも、蒼く



慶汰は俺から自由を奪い、尚かつあいつまで奪っていったんだ。



『珍しいじゃん。嵐が女を捕まえないなんてさ』

すばるはジュースを飲みながら、俺を見つめてこう言ってきた。

そう。
俺はいつも声をかけてくる人を拒んだりはしない。
むしろ全て受け入れている。

慶汰を好きだっていう人間が許せないから、俺を好きにさせる。

慶汰を超えたいから。
血は繋がっていても、
顔が似ていても、俺は俺だ。

慶汰ではない。


『今日はそんな気分じゃなかっただけ』


下を向いて、なぜ受け入れなかったのか、その答えを考えていた。
いつもなら遊びに誘われたら遊びに行くのに…なぜかな?
自分では分からない。



すばるや馨は、俺のことを知っているから、庇ってくれる。

ごめん、ごめんな…。


俺はそんなに…心は広くない。