俺は勇気を振り絞り、震える口を開いていく。
そんな時、部屋中が、ある声に埋まっていった…
それは…陽菜の声。
『陽菜…悲しかった。嵐から本当のこと聞きたかった…そしたら陽菜は…』
陽菜の声を聞いて愛しさが芽生えた。
こんな時に…って思うかもしれないけど、ずっと聞いていたいって思った。
…でもそれは無理だとこの空気が訴えているようだ。
それと陽菜の言葉も…
《そしたら陽菜は…》
この続きの言葉はなんですか─…?
その先は言わないで。
言わないで…
言わないでよ…。
愛しい声で…
言わないで─…。
『…ごめん…陽菜…。騙すつもりはなかった。どうしても慶汰に勝ちたくて…』
もうなにもかもが言い訳にしか聞こえないだろう。
言い訳をするくらいなら、最初から嘘などつかなければいいのに…。
俺は本当にバカなやつだ。


