『嵐?どうかした?』
それは─…、紘人。
寝間着姿だ。
しかも髪の毛に寝癖がついている。
この時紘人で良かったと何故か思ってしまった。
もし陽菜だったら、まずなにを話していいか分からなかったから…。
『陽菜は…、いる?』
『いるよ。入れば?』
ほっとする俺。
いなかったら、この胡蝶蘭が悲しい顔になってしまうから。
紘人が俺を迎入れる。
陽菜の部屋は玄関からすぐ入ったところ。
ドアノブに手を掛けたとき、紘人が俺の腕を掴んだ。
『…嵐、ひとつ聞きたいことあるんだけど。昨日陽菜はお前にクッキーを渡しに行った。けど泣きながら帰ってきた。なにかしたのか?』
俺を見つめる紘人の瞳が痛くて、また怖さが増す。
『陽菜が答え出したら言うから…』
俺の答えは決まっている。
俺は─…、
お前が大好きだ。


