受け取ってくれなくてもいいから、顔を見せて?
顔を見たら帰っていくから…。
お願いだから泣いたりしないで。
笑って欲しいんだ。
そしたら俺も笑えそうだから。
外を出て空を見上げる。見事な快晴だった…。
雪は積もらなかったけど、確かに降った。
白くて、すぐ溶けて。
儚くて、けど温かくて。
俺の心に残っている。
陽菜の家を目指す。
街中はやはりクリスマスで賑わっている。
そんな中歩いていく。
けど俺はある場所で足を止めた。
そこは、レンガ造りの綺麗な塗装をした花屋さん。
『クリスマスにお花はいかかですか?』
『クリスマスにぴったりな花って何ですか?』
愛想のいい店員に質問をする。
すると店員は奥へと行き、ある花を持ってきた。
それは白色をした可愛らしい花だった─…。
『胡蝶蘭なんてどうかしら?』
『可愛い花ですね。それ頂きます─…』
俺はプレゼントと胡蝶蘭を抱いて、お前のところに向かう─…。
だって今日はクリスマスだから─…。


