どこまでも、蒼く



一度気づいた恋心は、
どこに向かうのだろう?

消えてなくなってしまうのかな─…。


ぎゅっと唇を噛み締めて、その状況に耐える。

今まで味わったことのない苦しさだった。


慶汰と陽菜は、同じ場所で、同じ時間に…
もう恋に堕ちていたのだろう。



『…慶汰…俺…』



『でも俺は人の恋に邪魔するほど悪い人間じゃねぇ。…嵐はあの子のことが好きなんだろ?』



慶汰は優しい笑顔で俺を見つめる。
その笑顔の裏側はどんな表情をしているの?
きっと今、俺が浮かべている表情と同じだろう。


『…え……』



『何年お前の兄貴をやってると思ってるんだよ。そんなことくらい分かる』



慶汰には心が読まれている気がする。
間違いではないだろう。


けど…、けど…。



『俺にはもう…無理だ…陽菜を幸せになんか出来ねぇ…。慶汰じゃなきゃ無理なんだよ…!!!』