それもあるかもしれないけど、大人になるのが早かったのかもしれない。
だから自分を責めるのかな?
『俺だったらありさを許さない…』
『もし、そこでありさを恨んだら、一番辛くなるのは自分だ。だから恨んだりなんか出来ねぇよ。それに…』
『それに?』
慶汰は言葉を詰まらせる。
ほんのりと赤く染まった顔を下に向けて、なにかを考えているようだった。
どうして空を見たときに気付かなかったのだろう?
今日は逃げ道がないってこと。
暗くて、月や星の光さえなくて…彷徨うことしか出来ないんだ─…。
テレビから聞こえてくる、クリスマスのスペシャル番組の声が、切なさを誘う。
そして慶汰が静かに口を開いた。
『…俺はずっとある子を捜している…』
その時だった─…。
部屋中に呼び出し音が鳴ったのは…。


