ありさと別れた?
どうして?
あんなにも仲良かったじゃねぇか。
家族になるんじゃなかったの?
付き合ってきた長い期間を、そんな簡単に表していいの?
持っていたグラスが落ちそうだった。
『な…んで?』
『ありさが浮気してたんだよ。一年前から。俺、仕事で忙しかったし、全然気付かなかった。俺が悪いんだよ』
こう言って、グラスの中に入っていた赤ワインを飲み干す慶汰。
同情をしていいのか分からなかった。
なんで自分を責めるんだよ?
浮気したら浮気した方が悪いんじゃないの?
けど慶汰は自分を責めた。
なんで、どうして?
理解出来ません。
『浮気したのはありさだろ?なんで慶汰のせいなんだよ?』
『もっと早く気付いていたら、別れなんてなかったはずだろ?けど気付かなかった。俺が悪い…』
唇を噛み締める。
慶汰は、心が広かった。


