どこまでも、蒼く



年に一度のクリスマス。この日、恋人たちは何を誓うのだろう?
やはり《永遠の愛》だろうか?


俺たちはなにを願う?
この夜空に…
なにを願おう?


俺はやっぱり、自分の幸せより、相手の幸せを願ってしまう。


陽菜には俺より、もっともっと幸せになって欲しいから。


陽菜を幸せにするのは、俺だ。



『そういえば、嵐のマンションってあの大きなマンション?』



すると突然、陽菜はある場所を指差して、こう言ってきた。
指を差している場所とは、陽菜の言葉通り、俺のマンションだった。
俺は何の疑いもなく首を縦に振る。



『そうだよ。どうかした?』



『ううん。何でもないよ!ただ気になっただけ!あ、今日はここまででいいよ!ありがとう』



俺の手を離して、俺に背を向ける陽菜。
そして振り返り、数回手を振って、人ごみの中へ姿を消していった…。




もっと一緒にいたかった─…。


空は…、どんどん暗くなっていく─…。




そして街に、クリスマスがやってきた─…。