本当はずっと前からこの日を楽しみにしていた。陽菜と遠出をするのは初めてで、昨日は緊張してよく眠れなかったんだ。
俺って単純なのかな？
こう前にすばるに聞いたら『かなり』という言葉が返ってきたっけ。
『嵐、陽菜ね、恥ずかしいんだけど、昨日てるてる坊主作ったんだ…。だから晴れたのかな？』
突然、小さな声でこう言った陽菜に驚きを隠せないでいる俺がいた。
まさか、陽菜も？
同じことをしていたなんて…。
ついつい笑ってしまった。
『まじ？』
笑った俺を見て顔を真っ赤に染める陽菜。
もし、俺が先に言っていたら、陽菜も笑ったかな？
それとも『私も』と言って一緒に笑い合ったかな？
どっちにしたって嬉しいことには変わりはないよね。
『だって陽菜…楽しみにしてたんだもん…』
そんな恥ずかしがらないでよ。
『俺もだよ…』
同じ気持ちだから…。
