どこまでも、蒼く



こんな季節外れの海なんてなにが楽しいのだろう?
寄せては返す、波の行動を見て何を思うのだろう?


俺は不思議でたまらなかった。


そんなことを思いながら、電車に揺られる俺がいる。
隣にはまるで海を待ちきれない子供のように笑顔で移り変わる景色を眺める陽菜がいた。


今は昼すぎ。
太陽が一番高く昇るときだ。
車窓から外を眺めると、キラキラと輝いていた。
なんで?

それは昨日が雨だったから。


そう。
昨日はうんざりするくらいの雨だった。
天気予報では今日も雨だと言っていたけれど、陽菜は『晴れるよ』と言うから予定通り、海へと出発したのだ。

天気予報は見事にはずれ、陽菜の言った通り、今日は思わず歓声したくなるくらい、太陽が輝いていた…。


今日は休日だからか、電車が混んでいる。
俺と陽菜は肩を並べて、移り変わる景色をずっと見ていた。