約束だよ?
絶対だからな─…。
俺はもう一度陽菜の手を握って、学校をあとにした。
夕日色に染まったグラウンドが、俺達を迎え入れてくれる。
空にはちらっと姿を見せる星と、雲で隠れてしまっている月の姿が確認出来た。
『陽菜、嵐の家に行きたいです』
突然笑いながら、こう言う陽菜に、俺は驚きを隠せないでいた。
え、なんて?
俺の家?
『家?なんで?』
『嵐の私生活を見てみたいからだよ?知らないこと沢山あるから…』
確かに俺は陽菜を家へと呼んだことない。
陽菜の家には何回か行くけれど、そこには紘人もいるし、たまにすばると馨と千夏も来るし、二人きりのことはない。
それに陽菜は純粋に俺のことを知りたがっているようだし…。
『別にいい…』
俺は言葉を途中まで言って、重大なことを思い出した。
ダメだ!!
陽菜を俺の家には呼べない…。


