しかも付き合って1ヶ月も経ったんだぞ?
それなのにダメって。
しかも断られ方が《公共の場所》という理由。
確かに公共の場所だけどさ…
しかも少し前に、誰もいない夜の公園でキスをしようとしたときも断ったし。
誰もいないんだぞ?
じゃあどこならいいか教えてくれよ。
『何でダメなんだよ?じゃあどこでしていいわけ?』
陽菜に近づき、陽菜を見下ろす。
俺たちの声を聞いたのか、不思議に思った生徒たちがちらちらとこちらを見ている。
更に真っ赤になる陽菜の顔。
『陽菜は…思い出の残るようなキスがしたいんです…』
そんな陽菜の言葉を聞いてしまった俺は、恥ずかしがらずにはいられない。
俺までも顔が真っ赤になる。
他人から見たら《バカップル》というあだ名がつきそうだ。
『…じゃあ今度、思い出に残るようなキスをしような…』


