どこまでも、蒼く



そう覚えておいてよ。
男は悪戯心満載だって。


『なによ、それ。聞いてどうするのよ?』



あ、怒った。
顔が少しだけ赤いよ?


そんな陽菜を見て俺は笑いを堪える。
悪気なんてないから許してよ。


陽菜の頭を撫でて、顔を覗き込む。


『うーそ。ごめんね?』


陽菜を見ると、大きな瞳に涙らしきものを浮かべて、なにかに耐えていた。


ごめん。悪いことしたね。
冗談だよ?
本気にしないでよ。


俺は陽菜の手を思い切り引いて、抱き寄せた。
俺の胸板らへんに陽菜の頭がある。
ゆっくりと陽菜を包み込む。

華奢な体だけど、それが俺には丁度いい。

陽菜の温もりが感じられるから。


『嵐…人に見られちゃうよ?』



『見られてもいいよ。俺がこうしていたいから』


俺が陽菜を包み込むように、夕日が俺達、二人を優しく包み込んだ。