どこまでも、蒼く



大丈夫だって信じなくちゃ、自分がダメな気がする。
自分がおかしくなる気がする。


大丈夫。
今の世界は昔より便利になったじゃないか。
電話をすれば、すぐ声が聞こえるし、二時間もすれば名古屋に着いてしまう。

そう考えると少しだけ、ほんの少しだけ気持ちに余裕が出来る。


『怒ってるのかと思った…良かった…』



『バカだな、陽菜は…』


本当は泣きたいくらい苦しかったけど、そんなことを言える勇気がなかった。
俺は強く、陽菜の手を握った。


そしてこの冷え切った廊下を歩いていく。


下駄箱で靴に履き替えようとしてロッカーを開けると、俺は溜め息を漏らした。


なぜならば、ローファーの上に無造作に置かれた手紙を見てしまったからだ。


愛の手紙は未だに続いている。


本当にいい加減にして欲しい。