どこまでも、蒼く



この言葉を聞いた俺は、立ち上がるくらい嬉しかった。
慶汰を好きじゃないって分かって、曇っていた俺の心が晴れた気がする。

温かい日差しが、俺たちを照らすと共に、俺の心までも照らした。


『…でもなんで両親がいないって嘘ついたの?紘人が両親はまだ生きてるって言ってたけど』


だけど俺にはまだ晴れていない気持ちがある。
それは陽菜の両親のこと。


『…それ…は、慶汰にお礼を言いにきただけで転校してきたって言うと変に思われるって思ったから…です。だから…』


だから嘘をついたんだよね。
でも別に変な理由じゃないんだし、言ってもいいと思うんだけど…。

俺はその場を立ち上がり、陽菜を見下ろした。


これは冗談だよ?


『俺、嘘つき嫌いだし』

冗談を陽菜に浴びせる。どういう反応をするか試したかったんだ。


そして陽菜から離れていく。


さぁ、陽菜はどう反応をする?


『…嵐…行かないで…』


小さな声で俺の名前を呼ぶ。
もっと大きな声で呼んでよ。


俺は足を止めて、もう一度陽菜の隣に座って、こう言ったんだ。


ちゃんと聞いててよ?




『俺、お前のこと超好き…』