どこまでも、蒼く



後ろから聞こえてくる千夏の声。


…宣誓布告?
俺だって負けねぇよ。
勝負だな。


『おう。幸せになれよ。千夏…』



『いいこと…教えてあげる。陽菜なら体育館の裏にいるよ』


千夏が教えてくれた居場所を聞いた俺は、一目散に駆け出していた。
周りなんて視界に入らないくらい、猛スピードで。


好きという気持ちは偉大だ。
だってそれだけでこんなにも勢いよく駆け出せるのだから。

だから、何も怖くないはずだ。


気付いてよ。
自分にも駆け出せる力があるってこと。


体育館の裏に行くと、空を見上げるお前の姿があった。
そして首からぶら下げている一眼レフのカメラのシャッターを押す。
空をカメラに収めたんだろう。
写真を撮ったお前の横顔がとても美しかった。


溢れ出す。
温かい気持ち…。




『こんなとこで何してんの?お嬢さん』



『嵐…』



やっと会えた─…。