どこまでも、蒼く



紘人の出身地は名古屋。ということは陽菜も?
さらに慶汰との接点が分からなくなる。

だってここは…東京だから。


『…名古屋出身なんだ?』


紘人の顔を見ながら尋ねると、紘人は俺に視線を変えて首を縦に振る。



『そう。ずっと名古屋。だから東京来たとき人多すぎて困った。名古屋も多いんだけどな』



…陽菜はどうして慶汰のことを知ったのだろう?雑誌…とか?
でも陽菜がファッション雑誌読むか?
いや、それは失礼か。

絡まる糸。
もう自分でもワケが分からない。


『名古屋出身?あのさ、名古屋の人って東京のファッションとか興味ある?』


慶汰は瞳を輝かせて、紘人に聞く。
戸惑った表情を見せる紘人を見て、俺は慶汰の足を蹴った。

足癖の悪い俺。
いつも慶汰に対する攻撃は、口と足だ。


『家まで仕事の話なんかすんじゃねぇ。しかもさっきから携帯のバイブうるせぇし』