また、崩れ落ちていく。紘人の言ったことが本当のことなら、陽菜が言ったことは嘘となる。
…信じていたのに、
なんで嘘なんかついたんだよ…
─…陽菜…。
『俺、陽菜に両親はいないって聞かされた…そんで高三の夏、叔父が死んだって…』
『…確かに、叔父は高三の夏に死んだな。でも両親は生きてる。陽菜が嘘を言ったんだな』
『でも…何で…』
静寂と共に加わる、俺の心臓の爆音。
何でそんな嘘をついたの?
陽菜は謎過ぎる。
俺に何を思わせたいんだよ…。
…意味分かんねぇ…。
ねぇ、陽菜。
俺は嘘なんか聞きたくなかったよ。
お前の口から真実を聞きたかった─…。
やっぱり、陽菜が転校してきた理由は…
あいつが関係しているの?
…すると突然薄汚い雲から滴が落ちてきた。
これは…雨だ。
『雨降ってきたし…』
『なぁ、紘人…』
お前なら信用出来る。
俺の秘密、言ってもいいか?
『…ん?』
『次は俺の秘密を教えてやるよ…』


