人の涙を見ると、何故か胸が締め付けられるんだ。
痛いっていうか…。
苦しいっていうか…。
綺麗なんだけど、
見ていて辛い。
『分かった…俺、守る。お前の出来ないこと、俺がしてやるから…安心しろよ』
『…さんきゅ。俺、陽菜のあと追ってきて良かった。恋人にはなれないから、その代わり傍にいたいんだ。親の反対押し切って来て良かった』
俺はこの時、紘人のある言葉に疑問を持つ。
《俺の反対押し切って》
そう、この言葉だ。
なぜかって?
それは陽菜から聞いた話と違うからだ。
陽菜は前、俺に両親はいないと言った。
けど紘人は両親がいるような発言をした。
どれが本当?
どれが嘘?
『紘人…お前の両親って亡くなったんじゃないのか…?』
俺は恐る恐る紘人に聞いてみる。
なにが真実なのかを確かめるために…。
『は?なに言ってんだよ。俺の両親はまだ生きてるっつの』


