どこまでも、蒼く



俺はなにも出来ないのに。
好きの一言すら言えないのに。


もう完全に暗くなった街。
紘人の顔すら見えなくなってきた。
だんだんとその暗さに目が慣れてくる。



『なんで…?』


『もし…俺と陽菜が双子じゃなかったら、俺は陽菜を手に入れてた。
…けどこの中途半端な血が俺を縛り付けている。』


弱々しくなっていく紘人の甘いボイス。
きっと我慢出来なかったのだろう。
紘人が俺の前で泣くのはこれで二回目。


どうして人の涙は綺麗なのだろう…。



『…紘人…』


胸が苦しい。
何かに締め付けられて、まともに息も出来ない。助けて欲しいけど、助けは呼ばない。

自分でなんとかしなくては何も変わらないから。


『俺と陽菜が完全な双子だったら俺はあいつを諦めてたのに…半分だから…余計諦めることが出来ないんだ…。だから俺はずっと押し殺してきた…』



自分の気持ちを─…。