ずっと空を見上げていたら、なにかに負けそうですぐに視線を逸らした。
俺より先に歩くすばる。すばるも俺と同じ学ランを着ているのに、どこか違うように見えた。
俺のように、闇を背負っていないだろう。
黒の学ランが、軽く見える。
俺は何が違う?
…あぁ、そっか。
心の広さが違うんだ。
『嵐ー?今日も沢山笑おうな!』
突然、すばるは足を止めて、振り返りこう言った。
この言葉をすばるは毎日言う。
《沢山笑おう》
すばるに毎日言われても、実行することが困難なのは言うまでもない。
笑えないさ。
だって今も《つまらない》と思っているのだから。
だから俺はいつも聞き流す。
『はいはい…』
本当は笑いたい。
お前と腹を抱えて、心の底から笑いたいよ。
でもどうしてだろう?
…出来ないんだ。


