どこまでも、蒼く



すばるという名前の少年は、太陽に負けないくらい眩しい笑顔を浮かべて振り返る。


もうこの笑顔に戸惑いはない。
すばると出逢った時、彼の笑顔に俺は少しだけ戸惑ったのだ。


理由は…、眩しくて。


俺もこんな風な笑顔になりたい、と願望があったから。

今はもう慣れて戸惑いはないが、心の中では羨ましいと思っているのだ。


『おはよ!今日すげぇいい天気!!』


すばるは空を見上げて、空に負けないくらい屈託のない笑顔を向ける。


すばるの近くへ近寄り、空を見上げると、眩しすぎて目を細くした。



『…素直だな…』



無意識に飛び出した言葉。
今日の空は笑っている。


きっと、明日も。



『じゃあ行くか!出発ー!!』



元気よくすばるは立ち上がり、嬉しそうに学校を目指す。
散らばった毛先がリズムよく弾むから、すばるの心も一緒なのだろう。