どこまでも、蒼く



俺は紘人のように眩しい人間はないから…。
必死にもがき苦しんで泳いでいる魚のようだから…。


『お前が蒼井と双子?見えねぇ!!』


すると黙ったままだったすばるが突然立ち上がり、紘人を指差しながら大きな声でこう言った。
クラスの視線が一斉にすばるへと集まる。

確かにそう言いたいのも分かる気がするけど。


『俺は陽菜みたいに天然じゃねぇからな。でもちゃんと双子だから。』


そう言って紘人が浮かべた笑みを見た俺は、何故かその言葉を素直に受け止められなかった。

《ちゃんと双子だから》
この言葉が俺を疑問に思わせたのだ。

理由は…、分からない。
ただ…、なんとなく。


『じゃあ蒼井、姉の後ろに席作っておいたからそこに座りなさい』


担任が紘人に指示をし、紘人はそれに従う。

ゆっくりと近づいてくる紘人。

俺は自分の感情を抑えるために、ずっと外を眺めていた。