どこまでも、蒼く



映し出される文字を見て、元気どころか少しだけうんざりする俺がいた。
出ようか出まいか。
そんなことを考えていると、携帯は鳴るのをやめてまた再び鳴り出した。なにかに焦りを感じているようだ。

これは誰の心情?
紛れもなく千夏の心情だった。

俺は鈍感なのか気づくはずはない。
しょうがなく思った俺は携帯の通話ボタンを押して耳に当てた。

今日は雑音がない。
とても聞きやすそうだ。

『どうした?』


《嵐…》


もうすくで消えてなくなりそうな声が俺の耳へと入ってくる。
いつもの千夏じゃない。どうしたのだろう?

もうこの時点で鈍感さが分かる。


『元気ねぇじゃん』


すっかり眠気のなくなった俺は、体を起こし、部屋の電気を点けた。
いきなり明るくなる部屋。
でもあのコンビニより、このマンションよりマシな明るさだけど。