未来を予想出来る予知能力があったのなら、俺は自分で未来を見るのに。
そしたら…、
なにかがもっと変わっていたかな…。
『おい、お前ら何している。教室戻れ』
するとどこからか、低い声が聞こえてきた。
ふと顔を上げると、そこには学年主任の先生が仁王立ちしていた。
いきなりの登場で、俺とすばるはびくりと反応をする。
『先生いきなり現れんなよな!嵐、教室戻ろ!』
すばるは俺の腕を掴み、俺を立たせ、先生から離れていく。
今さら授業を受けんの?あと10分くらいなのに?
心の中で愚痴を零しながら、足は教室へと進んでいく。
今の授業は数学。
俺が大嫌いな教科だ。
なぜならば、数式を見ていると眠くなるから。
『サボってましたー』
すばるは素直に事情を話し、教室へと入っていく。
数学の先生はぽかんと口を開けたまま、俺たちを目で追っていく。


