ラブ☆バカリズム



パシッ


「!?」


 先生は驚いた顔をして手を引っ込めた。無意識の内に先生の手を払っちゃったみたい。


「すいません! ついいつもの癖で。昔、合気道やってて」


 慌てて謝ったけど、いまさら遅いだろうな。今度こそ殺されるんだァ。


「やっぱ面白い奴だな! 気に入った」


 先生はそう言って、また笑い始めた。


「あ、ありがとうございます……」


 この人、怒る事があるのかな? そんな事を考えてると、先生はいきなり顔を近づけて来た。その表情は真剣で、ちょっと心臓が高鳴る。いきなりだとビックリするよ。


「なァ、部活とかやってんのか?」

「へ……? あ、いや、帰宅部ですけど」


 脈絡のない事を聞かれて、素っ頓狂な声が出た。なんでいきなり部活の話しなんだろう。


「ふゥん」


 先生はそう言うと、真剣な顔を崩して、口角上げた。