パシッ
「!?」
先生は驚いた顔をして手を引っ込めた。無意識の内に先生の手を払っちゃったみたい。
「すいません! ついいつもの癖で。昔、合気道やってて」
慌てて謝ったけど、いまさら遅いだろうな。今度こそ殺されるんだァ。
「やっぱ面白い奴だな! 気に入った」
先生はそう言って、また笑い始めた。
「あ、ありがとうございます……」
この人、怒る事があるのかな? そんな事を考えてると、先生はいきなり顔を近づけて来た。その表情は真剣で、ちょっと心臓が高鳴る。いきなりだとビックリするよ。
「なァ、部活とかやってんのか?」
「へ……? あ、いや、帰宅部ですけど」
脈絡のない事を聞かれて、素っ頓狂な声が出た。なんでいきなり部活の話しなんだろう。
「ふゥん」
先生はそう言うと、真剣な顔を崩して、口角上げた。

