本当に残念だったのは私だったのに。 「そういうのあの人に伝わってたかな?」 「え?」 「俺たちの気持ちだよ。青春部が楽しかったこと、あの人に伝わってたかな?」 そうだった。 いつも呆れたような顔しかしていなかった私たち。 『いつも俺の我侭に付き合ってくれる、いいやつばかりだって……』 そう言ったお母さんの言葉が蘇る。 前を歩く樹先輩の手に少し力が入る。 「伝えないとな」 「はい……」 「俺たちも楽しかったって、あの人に伝えないと」