青春の風

 
そう言った樹先輩が私の手を取り、歩き出す。



「でも……、やめたかったって」



琥太郎先輩との会話を思い出しそう言った私の手を引く樹先輩。



「最初はそう思ってた。でも、最近ではそうでもなかったんだ」



「最近?」



「お前たちが入ってきて、少し楽しかった。朝、奈美を迎えに行って、帰りは彩乃と帰る毎日は、思ったより楽しかった……」



「犠牲になってるって……」



手を引かれながらそう呟くと、樹先輩が少し困った顔をする。



「咲良さんがな。三人目の入部で、まさか咲良さんが犠牲になるとは思わなかった」



「じゃあ、樹先輩は……」