「彩乃っ! どこ行くんだよっ」
二階の廊下の窓から、樹先輩が顔を出している。
「第二校舎の裏に咲良先輩いるのっ!」
そう返しながら、第二校舎へと走る。
そして校舎裏に廻った私の視界には、咲良先輩はいなくて……。
あれ?
どこに……。
そう思った時、校舎奥にあるプールサイドに立つ咲良先輩の姿を見つけた。
静かに歩いている咲良先輩がプールの飛び込み台に座ったのが見えた。
あまり驚かせてもと思い、音を立ててプールへと続く金網の扉を開ける。
私が入って行っても咲良先輩が座るその背中は、振り返らないので仕方なく声を掛けた。


