私の短大は小高い丘の上にある。
ピンクや薄紫のコスモスが揺れている。
開け放たれた大きな窓。
申し分のない爽やかな風。
頬に心地好い。
ランチの後、乙女のお腹は満たされ…。
その日、英文科の午後一番の授業は音声学。
要するに発音の勉強。
本日のメインはrとlの違い。
「ヌガー」だった。
「ヌガー」って何?
先生は、イギリスで食べた美味しい「ヌガー」の話を延々と話される。
どんなに美味しいか!
聞いている私は涎が出そうになる。
鳥取の片田舎で育った私、興味津々!
憧れの外国の「ヌガー」とやらを食べてみたい!
後に、神戸に住んでいた従兄弟が送ってくれたお菓子の詰め合わせに「ヌガー」なるものが入っていた。
キャラメルをしつこくしたようなねばっこい味。
正に「ヌガーなのである。
夢にまで見たヌガーが、
はっきり言って、
ガクッ!
期待外れ!
甘ったるい!
先生は、田舎娘の私達にとって、イギリス紳士も同然。
スマートでカッコイイ、初老の素敵な人だった。
眼鏡を掛けていた。
限りなく優しいお顔。
だけど、授業は満腹で、ただえさえ眠い昼下がり。
「ア~ル」 「エ~ル」
先生の発音を聞いているだけで眠りの森に吸い込まれそう。
必死に睡魔と戦う。
指されて、質問されることもないので眠りは、頂点を目指す。
2年間、しっかり勉強した!?
卒業して直ぐに噂を聞いた。
な、 なんと、ヌガー先生が私のクラスの可愛い女の子と結婚したという。
えっ、えー?
ハタチの長い黒髪が美しい
大きな瞳の愛くるしい乙女と推定70才前後のおじさんが結婚したと言うのだ!!
衝撃とは
こういう事を言うのだろう。
いつの間に、ヌガー先生は…。
彼女は一番前の席に座っていた。
後部に居並ぶ私達がコックリ、コックリしている間に…。
ヌガー先生は、コックリも出来ない場所にいた可愛い彼女に「ヌガ~、ヌガ~」と愛の言葉を囁いていたのである。
若干、20才の私は飛び上がらんばかり! こんなことってあり~!?
恐るべし、アッパレなヌガー先生!
今では、乙女の心をわしづかみにした先生をステキー!と思う。
年なんか関係ない!
この人と思ったら、即捕まえるべし。
躊躇していたら永遠にこの恋は去って行くのだ。
ピンクや薄紫のコスモスが揺れている。
開け放たれた大きな窓。
申し分のない爽やかな風。
頬に心地好い。
ランチの後、乙女のお腹は満たされ…。
その日、英文科の午後一番の授業は音声学。
要するに発音の勉強。
本日のメインはrとlの違い。
「ヌガー」だった。
「ヌガー」って何?
先生は、イギリスで食べた美味しい「ヌガー」の話を延々と話される。
どんなに美味しいか!
聞いている私は涎が出そうになる。
鳥取の片田舎で育った私、興味津々!
憧れの外国の「ヌガー」とやらを食べてみたい!
後に、神戸に住んでいた従兄弟が送ってくれたお菓子の詰め合わせに「ヌガー」なるものが入っていた。
キャラメルをしつこくしたようなねばっこい味。
正に「ヌガーなのである。
夢にまで見たヌガーが、
はっきり言って、
ガクッ!
期待外れ!
甘ったるい!
先生は、田舎娘の私達にとって、イギリス紳士も同然。
スマートでカッコイイ、初老の素敵な人だった。
眼鏡を掛けていた。
限りなく優しいお顔。
だけど、授業は満腹で、ただえさえ眠い昼下がり。
「ア~ル」 「エ~ル」
先生の発音を聞いているだけで眠りの森に吸い込まれそう。
必死に睡魔と戦う。
指されて、質問されることもないので眠りは、頂点を目指す。
2年間、しっかり勉強した!?
卒業して直ぐに噂を聞いた。
な、 なんと、ヌガー先生が私のクラスの可愛い女の子と結婚したという。
えっ、えー?
ハタチの長い黒髪が美しい
大きな瞳の愛くるしい乙女と推定70才前後のおじさんが結婚したと言うのだ!!
衝撃とは
こういう事を言うのだろう。
いつの間に、ヌガー先生は…。
彼女は一番前の席に座っていた。
後部に居並ぶ私達がコックリ、コックリしている間に…。
ヌガー先生は、コックリも出来ない場所にいた可愛い彼女に「ヌガ~、ヌガ~」と愛の言葉を囁いていたのである。
若干、20才の私は飛び上がらんばかり! こんなことってあり~!?
恐るべし、アッパレなヌガー先生!
今では、乙女の心をわしづかみにした先生をステキー!と思う。
年なんか関係ない!
この人と思ったら、即捕まえるべし。
躊躇していたら永遠にこの恋は去って行くのだ。
