『神山ミコト』は何の反応もない。


本当に戦う気が無いのだろう。


どうでもいい。


『神山ミコト』に対する策は色々考えてきた。


袋叩きにするまでに。






校庭を見たが『神山ミコト』以外誰もいない。


私としては都合がよかった。








私は銃を向け実弾を『神山ミコト』に放った。


だが、『防壁』が邪魔をした。


弾が止まっていた。







だが、それは予測済みであった。







前に一度ナイフを投げたときにこの能力は見ていた。






だから、対策もしてきた。







銃では効かないのなら、ナイフを『神山ミコト』の近くに投げた。


私は移動して、ナイフとつないでいる紐を操作して『神山ミコト』目掛けて法被を投げた。


法被は『神山ミコト』を覆った。






これには『キャンセラー』以上の効果があった。


能力を使用するには空中の粒子が必要だ。


これは覆った部分内の粒子をかぎりなく減らすものだ。






これで『神山ミコト』は能力を使えない。






私はナイフを握り、『神山ミコト』目掛けて刺しにいた。






ナイフは刺さった。






だが、いつもの感触とは違った。






これは…、神山ミコトは法被からいなくなっていた。






「辻本…」






私は声のする方を見た。






そこに『神山ミコト』がいた。






「なんであんたがそこにいるのよ」


「僕はもともとここに居たよ」


「じゃあ、今までのは…」


「僕が作った『幻影』だよ」