私は自分の部屋にいた。



支度を済ませ、呼ばれるのを待った。



鏡で自分を見た。



なんて怖い顔をしているのだろう。



近くに写真立てがあった。



私は写真を見た。



『C』が結成されてすぐに『神山ミコト』が住んでいた家で撮ったものだ。












「お嬢、そろそろお時間です」








部下が私を呼びに来た。








「わかった」







私は立ち上がり、部屋に吊るされた法被を見つめた。





この法被をこんなに早く着るとは思わなかった。






いずれは着ることになるだろうと思っていたが心の準備が必要だった。








私は法被を着て部屋を出た。








廊下には部下が数名いた。







私は部下の前を歩き、座敷へ移動した。







お父さんが行方不明になって、もう十日に経つが今でも不思議に思う。










今まで音信不通になったことは一度もなかった。









それに連絡を出さないときはいつも話してくれた。







それなのに連絡が来ない。










どうしたのだろう。












私は座敷の入り口に立った。













心の準備はできている。









あとは部屋に入るだけだった。








部下が扉を開けた。









開くと明りが目に入り、眩しかった。








座敷には十数名の幹部がいた。












ここからが勝負だ。