I LOVE YOU が言えなくて

その夜、美香ちゃんから、メールがあった。

内容は、来週の日曜日に、カラオケに行こうというものだった。

私は、歌が大好きだから、すぐにOKした。


次の日、美香ちゃんは、クラスの男女も誘おうと言い出したので、結構仲のいい子たちを誘った。

けれど、男子は、誘っても、断られる。


「はぁ。男子は無理なんじゃない?」

私はあきらめて行ったのに、美香ちゃんは、全然あきらめてなくて

「絶対に、1人は誘う!!」

と、意気込んでいた。


すると、美香ちゃんは、クラスの中で、❝ヘタレ❞と言われている川崎に、声をかけた。

…結果、即OK


「いぇい♪」

美香ちゃんは、ピースをして、私のもとに帰ってきた。

そして、1人ではかわいそうだからと、私と小学校が一緒だった男子の刈谷を、誘った。


でも、美香ちゃんは、まだ何か物足りないような顔をしていた。

「美香ちゃん、どうしたの?」

私がそう聞くと、遠慮気味に

「美香ね、深沢と笠野。誘いたいんだけど…。」

と、言ってきた。


私は、今まで全くその気持ちに気付いてなかった。