好き、の先には

この日も、渚と渚の彼氏と校門で別れて、涼子とバス停まで歩いていた。



「芙実、何かあった?」



「え!?どうして?」



「ん〜?何となく?
最近、口数少ないし、いつも何か考えてる感じっていうか、
心、ここにあらずって感じ。」




そっか〜。そんなふうに見えるんだ。
実際、この前から変なのよね。

この前って、廊下で暁先輩とすれ違ってからなんだけど。

一日中ドキドキして、緊張してるし。
食欲もないし。




「何かね、自分でもわかんないの。」


「そっか。じゃ、何かわかったら言ってよ。

今の芙実じゃこっちも調子狂う。」


「うん、ごめんね。心配かけて。」


「いいの、いいの。
そういう時もあるでしょう?」




それから私達は、たわいもない話で盛り上がりながら帰った。