「あー…暑いな…」

ジリジリと焼き付ける太陽。
早いもので、もう7月。
仕事もだいぶ慣れてきて、怒られる事も少なくなっていた。

お昼時はあまりお客さんが来ない。
暇な時間はこうしてシルバーを磨いている事が多い。

「気をつけろよ。
日が当たってる所のシルバーは結構熱もってるから」

シフト表と睨めっこ中の店長が
急にこっちを見て言う。

「あ、はい。」

あたしは気の抜けた返事を返す。
すると突然、店長が立ち上がった。

…お、怒った?!

「なぁ、ここん所、結構連チャンになるけど…入れる?」

あたしのシフトはだいたい週4日。
そこに書かれていたのは、月の初めの1週間が、
まるまる潰れたあたしのシフトだった。

「大丈夫ですよ!頑張ります!」

あたしは快く引き受けた。



「助かるよ。実は俺、来月から違う店舗に行くから」


――え?


あたしは聞き間違いかと思った。