「『遺書が無かった』を免罪符にして、罪から逃れようとするから、『みぃ』に復讐されているのでは?」

「なっ!」

担任は顔を真っ赤にしたが、言い返せないらしい。

「ちょっとアタシも彼女には困っているんですよね。よければ少し、お話を聞かせていただけませんか?」

アタシは担任の耳元で囁いた。

すると逡巡した後、立ち上がった。

「…面談室へ行こう」

「はい」

面談室は職員室の隣で、鍵が無ければ入れない小部屋だった。

昔は物置部屋だったらしいけど、今は個人面談をする時に使っているらしい。

授業中の今なら、使用する人もいない。

「…篠原がイジメを受けていることは、薄々だが気付いていたんだ」

「気付きながら、助けてあげなかったんですか?」