担任はケガをした男子生徒達の手当てやら、連絡やらで今まで職員室にいた。

そして今、アタシも職員室にいた。

「篠原紅海のことは、むしかえさないでくれるか?」

真剣に困った顔で、担任は言った。

「でもアタシからは何も言ってませんよ。クラスメート達が勝手に説明してくれたんです」

「はあ…」

いや、ため息をつかれても。

「先生も、心当たりがあるんですか?」

「何にだ?」

「『みぃ』に祟られる心当たり」

「どうしてそれをっ!?」

思わず出した大声に、すぐさま気付いて声を潜める。

「どこで聞いた?」

「先程、クラスの女子達から聞きました。全員脅えていたので、もしかしたら先生かもって。どうやら彼女の死因、イジメらしいじゃないですか? 表沙汰にはしていませんね」

「そっそれが本当の原因かは分からないんだ。遺書も何も無かったんだからな!」