今までスラスラしゃべっていた男子生徒は、そろそろ限界らしい。

「ふぅん…。ねっ、その子の名前って何て言うの?」

「篠原(しのはら)…紅海(くうみ)」

「へぇ。他人の空似かしらね?」

「たっ多分、な」

そう言うとついに耐え切れなくなったのか、向こうへ行ってしまった。

その後はまあ無事に(?)過ごせた。

空気が重くなったのは、5時間目の体育の時だった。

女子は体育館でバスケットボール。

男子は校庭でマラソンをしていた。

しかし授業中に、校庭の方から大きな音と悲鳴が響いてきた。

「なっ何?」

驚いて数名の女の子達と共に、外に出た。

すると数人の男子生徒が倒れていた。

そして校庭には大きく長い木製の棒が倒れていた。