「えっと…」

「それは…」

ズバリ聞くと、みんな気まずそうに視線を外された。

「似ているんだよ、キミ」

するとメガネをかけた、真面目そうな男子生徒が難しい顔をして答えてくれた。

「似てるって誰に?」

「一ヶ月前、自殺したこのクラスの女子生徒に」

「おっおい!」

「止めなよ!」

口々にクラスメートが止める中、男子生徒は続ける。

「まあ瓜二つってワケじゃないけど、何となく雰囲気が似ているんだ。彼女の席は、ちょうど今キミが座っている席だしね」

「はぁ…。でも自殺って、何が原因で?」

「…詳しくは知らない。でも彼女の家は複雑だったみたいだし、受験ノイローゼじゃないかって言われている」

「遺書とかはなかったの?」

「あっああ…」