この二週間‥

私の唯一安らげる場所は「会社」だけだった。会社にいるときは、リュウジと龍二の事を考えなくていいから‥


あの日以来、リュウジとは連絡を取っていない。リュウジは、私からの連絡を待っていてくれた。

本当は相談したいこと、話したいことは沢山あるけど‥簡単に甘えることが出来なかった。リュウジを苦しめたくない‥‥そんな想いが先立っていた。


反対に、龍二とは毎日連絡を取っていた。私の彼氏なんだから普通だよね。

お互い仕事がない日はデートをした。手を繋いで歩いた。でも、あの日以来‥龍二の家には行っていない。私の家にも呼んでいない。

それから‥リュウジと逢ったことも話していない。話したら龍二を悲しめるだけ‥だったら‥

「このまま秘密にしている方が幸せだよね?」


自分勝手な解釈だと思うけど、私は両方が幸せになれる方法を考えていた。



でも‥大切な人を失う時が来た。それは、龍二と電話で話している時だった。


『陽菜‥さ‥明日で二週間経つけど‥気持ち聞かせてくれるかな?』


えっ!?

突然だったので驚いたけど‥でも、私の中である答えが見つかっていた。


『分かった。直接話したいから明日、龍二の家に行くね』

『了解』


龍二の声は、思っていたより明るかった。
私の結論が出たことで、どうなるかは分からないけど、気持ちに少しは余裕が持てるようになり身軽になった感じがした。

その思いは私も一緒だった。だから私の声も最近の中では、一番高かった。



明日はいよいよ‥私の想いを伝える日だ。

今日は早めにベッドの中に入った。