「皆川は母方の祖母と二人暮らしだったんですよね。何故手放したのですか?それより皆川が老いた祖母を置いて上京してくるなんて」 松井が言った。 「二階堂氏が大金を積んで引き取ったらしいのです」 校長は笑顔を引っ込めて咳払いをして言った。 「なるほど実の祖母から、金にモノを言わせて奪い取った訳だ。反抗するはずですね」 松井は溜息をついた。