歓喜の叫びとともに教室はカラになった。 松井は出席簿を持って出ようとした。 「あれ、皆川は居残りか?」 ひとり残った葵を見つけて彼は言った。 「くそ暑くて、外なんて出る気もしないね」 「そうか、ところでお前、夏休みの後半はちっとも顔を見せなかったな。フライデーが寂しがっていたぞ。旅行でも行っていたか?」